朱鷺の杜(IBIS)ブログ

情報論的学習理論(IBIS)に関する管理人の独断と偏見に満ちた意見

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カーネルむかしばなし(その5・最終回)

久々の更新です.
もともとちゃらんぽらんで,ものぐさな性格なのが,11月以降信じられない
くらいの高頻度で更新していたのでその反動が来たのでしょう.
サポートページ の方の更新もぼちぼちです
(各章への補足などは,みなさんからのフィードバックや質問が原動力ですのでよろしくお願いします).

よく考えると,このいい加減さはカーネル法にも通じていますね.
カーネル法は精度と汎化と計算量の妥協の産物みたいなもので,最適性とかに
強いこだわりを持っている人には受け入れにくいかもしれません.
(まあ岩波本は,カーネルすごいぞっていう本じゃなくて,カーネルっちゅうちょっとおもろいやつがおるっていう感じの本です)

ともかく,よくそんな性格で本が書けたなあと思われるかもしれませんが,これは
ひとえに編者と出版社の方のおかげです. それに,逆に細かいところまで気になる
性格だと,直しても直しても直しきれないのでいつまで立っても原稿が仕上がらない
ということはあるかもしれません.(私は「まあこんなもんでいっかー」てな感じで脱稿したので)
本に載せた図とかも私が作ったのはかなりいい加減で,出版社の方で細かく修正して
くれました. こういうのもフォントとか線の太さとか気になる人は時間を食うんでしょうね.

私の知っている研究者は(少なくとも私よりは)もっと細かい性格の人が多いと思います.
まあこだわりが強い方が研究者向きなんでしょう. 用語の使い方とか,言い回し,図の書き方とか,
私にしてみれば「どっちでもええやん」という感じなのですが.

さて,岩波本はあいかわらずふつうの本屋では見かけませんね.
Amazon と生協ではまあまあ売れているようなので,知る人ぞ知るという存在という位置づけなのでしょうか.

ちなみに,図書館横断検索というのがあるのを知り,ちょっと調べてみると,
現在のところ茨城県には結城市にある「ゆうき図書館」にだけあることがわかります.
ゆうき図書館えらい!
北海道・東北地方の公共図書館には1冊もないらしいです.
やっぱりラテンのノリは北国では受けないのでしょうか.

さて,最後は気鋭の若手研究者である柴田さんのブログでも取り上げていただいた,
カーネルむかしばなしの第5弾です.
NHKで取り上げるとかいうでかい話まで書いてもらいましたが,それは恐れ多いので,
せいぜいコマ大数学科か? あるいは西原理恵子氏に挿絵を描いてもらって
「なんちゃって機械学習」という本を出版?というのを目標にしたいと思います.
(もちろんそれらもありえないと思いますが)

ただしカーネルむかしばなしもとりあえず今回で最終回にしようと思います.
次回作はサスペンスか,青春ものか,あるいは官能小説か?
いろいろ構想がないわけではないですが,あまりもの書きやブログばかりにうつつを
抜かしていると某先生に,
「○○は学者としては二流ですが,ああいうものを書かせると結構うまいです」
の○○に入れられてしまう危険があるので(知る人ぞ知るネタ),
しばらくは研究(?)に専念したいと思います.

→第1弾
→第2弾
→第3弾
→第4弾

ティホノフはカーネルを食事に誘いました.

「おまえはいつもリアルバリューセットばかり食べておるようじゃな」

「だって,リニア国の人はみんなこれを食べていましたよ」

「たしかにリアルバリューセットは食べやすい.
じゃが,おまえはフィーチャー国の血を引いているから,もっといろいろなものを
食べることができるのじゃ.
このレストランには凄腕のシェフがおるから,いろいろ注文してやろう」

ティホノフはストラクチャというシェフを呼び,いろいろと作らせました.

カーネルははじめて見るいろいろな食べ物に驚きながらも好奇心に駆られて
ティホノフに尋ねました.

「あのひもみたいなものはなんですか?」

「あれはストリングじゃよ. バイオインフォの谷でたくさん収穫されるという話じゃ.
これをおまえが食べられるように調理するにはベルマン料理ブックにある秘伝が必要だそうだ.」

「この網みたいなのも食べられるのですか?」

「そうじゃ,それはグラフと呼ばれるもので,蜘蛛の巣川で取れるものじゃ.
これを食べられるようにするにはストリングよりも骨が折れるらしい.」

ストラクチャの腕がよいのか,カーネルはそれらの目新しい食べ物も容易に食べることが
できました.

「すっかりおなかがいっぱいになりました」

「そうじゃのう. 最近は食べ物の量はやたらと増えておるようじゃ.
じゃが,その中にはほんの少ししか栄養が含まれておらん.それを取り出すのが
おまえの役目じゃ.
自分の能力を使って,大量の食べ物から高い山を作ってその頂点をめざすというわけだ.
そのときにディメンジョンの呪いを受けないためにレギュラリゼーションの呪文が必要になる.」

「そういえば,私は呪文を使わないときは無限の力があるように思うのですが,
呪文を使うと途端に有限の力に落ちてしまうように思うのです」

「それこそクアドラティックレギュラライザーの秘密,レプレゼンターの力じゃ.
確かに無限の力というのはすごいことじゃが,それをそのまま扱うことは無理なのじゃ.
レプレゼンターの力によって,無限の力によって作られた山も容易に登れるように
なるというわけじゃ.」

「そうだったのですか. それで,これから私たちはどこに行くのでしょう」

「そうじゃな. もうわしがついていく必要はあるまい.
おまえはここから一人で旅をするがよいぞ.」

ティホノフのいきなりのこの申し出にカーネルはびっくりしました.

「えっ,そっ,そんな... わたしにはまだ知らないことだらけです.」

「もうおまえはレギュラリゼーションの書を読む力を十分身につけた.
人に教えられるだけでは真の力は身につかん.
おまえ自身で考え,経験を積み重ねることによって成長するのじゃ.

別れの餞別にこの指輪をやろう.
おまえが作る山が登りやすいのは,リニア国人の性質というだけではない.
おまえのしているクアドラティックの指輪の石が凹みのない凸な形をしている
ことが深く関係しておるのじゃ.
わしがもっているこのピースワイズリニアの指輪も凸じゃが,この指輪はいにしえの王である
ロバストとスパースが作ったもので,サポートベクトルという特別な山を作ることが
できる.

それではカーネルよ. 達者でな.」

そう言うとティホノフの体は光に包まれると共にだんだんと薄くなっていき,
ついにはすっかり消えてしまいました.

残されたカーネルの指輪にはいつのまにか新しい指輪がはまっていました.

「ティホノフさん,いままでありがとう.
まだリニア国を救うには力不足だけど,これから自分自身の力で旅をします」

こうしてカーネルの新たな旅がスタートしたのです.

(とりあえずおしまい)

スポンサーサイト

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。