朱鷺の杜(IBIS)ブログ

情報論的学習理論(IBIS)に関する管理人の独断と偏見に満ちた意見

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IBISML研究会 2011/3

3月11日に東日本大震災が発生し,年度末に予定されていた 2010 年度第 4 回 IBISML 研究会も当初開催が危ぶまれましたが,大阪開催ということもあり幹事の方々のご尽力でなんとか予定通り開催されました.

まず,会に先立って樋口先生@統数研の合図に従って震災で被災された方々に対して出席者全員が起立して一分間の黙祷が捧げられました. 亡くなられた方に対して深く哀悼の意を表するとともに,避難を余儀なくされている方々を少しでも元気づけられるように,そして,研究分野として直接・間接さまざまな面から何か貢献できないかを考えていくという誓いを立てた時間でした. 幸いこの分野は特別な大型機器を使うわけではないので,その意味からも大きなブランクが空くこともなく研究が進められるという利点があります.

なお,この震災では産総研のつくばセンターも強い揺れに襲われ,建物などには少なからず被害が出ましたが,奇跡的に全職員大過なく無事でした. 当日はちょうど産総研で PRMU 研究会が開催されており,地震により急遽中断されましたが,交通が完全に遮断されたため,つくば駅近くのホテルのロビーなどで一夜を明かされた方もいたようです. このあたりは image-ML に投稿された玉木先生@広島大の報告
 [image 05410] PRMU3月11日研究会 被災報告 (2011/03/13)
に詳しいので,お近くに image-ML を購読されている方がいらっしゃったら是非読まれるとよいと思います.
とても生々しい様子が伝わります.

つくばでは(というか関東全体だと思いますが)なんとなく世の中に暗い雰囲気が漂っていて,気持ちも沈みがちだったのですが,久々にお会いしたいろいろな方とお話しできてかなり元気が出ました. 産総研では出張の原則自粛が勧告されていたのですが,思い切って参加してよかったです.

さて,IBISML に話を戻すと,幸い地震による発表キャンセルもなく,20数件の発表が滞りなく行われました.
投稿された分野も現在の機械学習のトレンドに沿って幅広く,いつも通り査読なしとは思えないほどレベルの高いものばかりでした. [開催プログラム]

キーワード的にざっと挙げてみると,
・(ノンパラ)ベイズ,確率場
・ランキング
・プライバシー保護
・劣モジュラ
・テンソル分解
・スパース (lasso など)
・カーネル関係いろいろ
・ネットワーク解析
この辺りの基本を押さえておけば,ほぼすべての講演が十分楽しめる感じでした.

グループとしていちばんまとまっている感じがしたのは杉山先生@東工大の周辺でやられている密度比推定関連の研究で,完成度の高い研究という感じでした.

個人的には最後の理論のセッションがやはりもっともおもしろかったセッションです.
渡辺一帆さんによるVBの汎化についてかなり一般的な形の式を導出されていました.
綾野さん@阪大と鈴木さん@東大はいずれも(ただし解いている問題設定は全然違いますが)ノンパラの min-max レートの漸近解析をされており,興味深い結果を出されていました. 鈴木さんの発表に対する田中利幸さんの質問が例によってむちゃくちゃ鋭かったのが記憶に残りました.

なお,私は藤木さんと共著に入れて頂いた「回帰大作戦」という,怪奇大作戦をもじった内容での発表でした.世の中を明るくするために途中随所にネタ的なスライドも仕込まれていましたが,時節柄爆笑で受けるという感じではありませんでした. 中身は至極まっとうで,回帰や測定誤差モデルの損失関数をロバスト化したときに大域最適解が満たす性質に関する数学的な証明で,まあ詳細は予稿集をよく読まないとなかなか理解するのは難しいかもしれません.(藤木さんは予稿の証明が汚いので別のところにちゃんとしたのを出すつもりだとのことでしたが)

今回の IBISML 研究会は 英語発表の LLLL, DMSS というワークショップと並列開催で,一部パラレルに進行していて目当ての講演が聴けなかったりなどの声もあったようです. この辺りはまだ初めてのことでこれからディスカッションしていろいろ改善していくことでしょう.

追記ですが,冒頭の樋口先生は4月より統数研の所長に,幹事補佐の持橋さんも統数研に移られ,統数研がますます熱いですね. 今後も IBISML 研究会に対してもいろいろなスキームでサポートがされていくようです.

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