朱鷺の杜(IBIS)ブログ

情報論的学習理論(IBIS)に関する管理人の独断と偏見に満ちた意見

CAIP, ECML/PKDD 参加報告

お久しぶりです.

ドイツ・スロベニアで開催された二つの会議への参加報告です.
時差ボケなので夜中に書いてます.
あと,最初に書いておくと IBIS の締め切りは 9/13 まで延長されたので(ってもう今日か),みなさんどんどん投稿しましょう.


さて,最初の会議はドイツのミュンスターで開かれたCAIP (The 13th International Conference on Computer Analysis of Images and Patterns)というビジョン系の会議です.

投稿前は知らなかったのですが,採択率30%程度と結構厳しくてビジョン系では有名な会議のようです.
私の参加名目は藤木さん@産総研と村田研@早稲田との共同研究に入れてもらっており,今回はポスター発表での参加.
内容は,魚眼レンズのカメラのキャリブレーションを繰り返し計算を使わないで高速にやる方法の提案でした.

会議全体はビジョン系と言うこともあり,見てわかりやすい発表が多かったです.
意外に機械学習関係でもおもしろいのがたくさんありました.

招待講演は2件.

1件目は Aljoscha Smolic という人がステレオビジョンとそれを応用してユーザが自由に視点を移動できる Free Viewpoint Video という話のレビュー.
サッカーの試合とかをいろんな視点から見せたりするデモや3D関係のデバイスの話が印象深かったです. 富士フィルムからも最近3Dカメラが発売されたりしたのでこういう研究も割と気軽にできるようになった感じですね.

2件目は Duda & Hart 本第2版:Pattern Classificationで加わった David Stork の講演で,絵画のイメージ解析の結果を紙芝居的に次から次へと見せていました. フェルメールの有名な「真珠の耳飾の少女」 の光源推定をしていて,フェルメールが実際の光を非常に精度良く描いていたことなどが面白かったです.

一般発表で機械学習に関連する話としては,SVM などの手法の応用はもちろん,グラフ関連のマイニング(Ihara Zeta function とか初めて聞いたし)や多様体あてはめに関しては無茶苦茶濃い発表もいくつかありました.

肝心の我々の発表ですが,一応学生さんがメインで発表すると言うことで,共著者陣はサポートするために控えていたのですが,すごく英会話が堪能な学生さんで出る幕ありませんでした^^; 上述の Stork 先生などもすごく興味を示しており,(内容ももちろんですが)うまくしゃべるのも大事だなあと思いました.

ほかの参加者は日本からもビジョン系で有名な先生方が何人かいらっしゃいました.
千葉大の井宮先生や慶應の斉藤英雄先生,成蹊大の村松先生のほか,元電総研の岡さん@会津大とその学生さんの矢口さんなどとお会いしました.
矢口さんは twitter でフォローしている人 (ハンドル名yagu1)と判明.少しだけお話ししました.

CAIP は2年おきで次回はスペイン南部のセビリア(だったと思います)だそうです.




さて,ミュンスターからスロベニアのブレッド湖に移動して2件目の国際会議ECML/PKDD(European Conference on Machine Learning and Principles and Practice of Knowledge Discovery in Databases)に参加.

毎日 Newsletter を発行するなど運営にすごく気合いが入っていました.

proceedings は 9/17 まで時間限定でSpringer のページから見られます. ただ,会場ではネットがつながりにくくなっていたので,よく分からなかった発表を詳しく知りたいと思って proceedings を参照したいと思ってもなかなかできないということがありました. CD-ROM くらい配ればいいと思うのですが,何か事情があるのでしょうか.

あと,会議はビデオ撮影していてvideolectures.netで見られるようになるようです.

発表はなかったので聞くばかりだったのですが,意外に理解できる度合いは CAIP とそんなに変わらなかったので,いったい自分はどの分野の研究者だ?と自問.
最初の invited talk は Yahoo の Rosie Jones で,検索ログマイニングのプライバシーの話でした. プライバシーは最近はやっていて私も勉強会に参加したりしていますが,数理的に面白い部分がまだあまり発見できず. 社会学とか法律関係とかそういう広がりが面白いといえば面白いのですが,個人的にどこまで contribute できるかは疑問.

二日目の invited talk は Shai Ben-David という理論家の人が,理論がいかに実際の役に立つかをやさしく解説. 実際のところなかなか難しいと思うのですが,世の中の流れは理論をすぐ役に立てようという機運が高まっている気がします. 理論と実践とは twitter のようにゆるい結びつきというのが健全な姿で,あまり結びつきを追究しすぎるのもどうか思うのですが時代遅れ感覚なのでしょうか.

会議全体の研究テーマとしては,テキストマイニングやグラフマイニングを中心に,転移学習や準教師あり学習なども流行っている感じ. そのほかでは意外に強化学習のセッションが二つもあるなど目立っていました. あと,subgroup discovery という論理系のマイニングの話を初めて聞きました.
カーネル関係もカーネルを複数組み合わせるマルチカーネルの話や高速計算の方法あたりはまだまだやることがあるようで,Best machine learning paper も SVMlight の Joachims のところの SVM の高速計算を cutting plane を使ってやるという話でした(発表は共著者の人がしていた).

本会議と並行して industrial track というのが走っていて,企業関係の発表がたくさんあり,参加者も多く盛況でした. 昨今 Microsoft, Google, Yahoo などが機械学習分野と結びつきを強くしているのと,やはり企業の人はプレゼンがうまいです (中身はさておき).

それから参加者は,日本からビショップ本 の5人の監訳者のうち3人参加していました. 杉山研@東工大の八谷さん,石井研@京大の植野さん,植野研@電通大の磯崎さんなどが発表で来られていました.
事前に ECML での合流を打ち合わせていた川鍋さん@Fraunhofer とはザルツブルク駅で偶然遭遇.
あと,個人的に知り合いの伊庭斉志さん@東大や野田五十樹さん@産総研などともお会いしました.

日程の都合で,会議の後半(洞窟へのバンケットツアーや最後のワークショップでのしましまさんの招待講演)は聞けませんでした. 残念.

それから,来年の ECML/PKDDはバルセロナだそうです. 会議の内容を見る限りレベル的には結構通りやすそうにも見えるのですが,やはり通っている論文を見ると実データを使ってきっちり比較実験とかしているというところがポイントで,そういう意味では中身の深さよりは「完全な研究」が大切ということでしょうか.

それにしても10日間英語漬けになっていたら言語中枢が崩壊しそうになりました. もうちょっと聞くのになれるのとコミュニケーション取れるようにならないと...
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