朱鷺の杜(IBIS)ブログ

情報論的学習理論(IBIS)に関する管理人の独断と偏見に満ちた意見

JST/CRDS 科学技術未来戦略ワークショップ「予測と発見」報告

今日はちょっと毛色の変わった話題です。
1月に JST (科学技術振興機構) の CRDS (研究開発戦略センター) というところで開かれた「予測と発見:大規模情報からの『知識』獲得技術」というワークショップの報告です。

これについてブログでどれぐらい書いていいのかわかりませんが、web に ワークショップの報告が出ているので、そこからそんなにはみ出ない程度に書きます。

ワークショップの概要は、まず有川先生@九州大学がコーディネータとなって、人を集め、知識獲得に関するディスカッションを重ねて最後に報告書にまとめるという流れです。 メンバー表を見ればわかるように、参加された多くの先生方はどこかで名前は拝見したような方々ばかりですが、中には私のような駆け出しの若輩者も含まれています。(有名人ばかりとはいえ、中島秀之さんとか、山西さん@NEC, 石井先生@奈良先端・上田さん@NTT 等よく知った顔も多かったですし、電総研の先輩である楠本さんにも初めてお会いしました)

1日目の朝9時から夜9時まで、まさに缶詰状態で(お昼もお弁当を食べて)、その間一歩も外に出ずにひたすら議論していました。 全体は3つの分科会にわかれ、それぞれの中で議論したものを最後にまとめあげるという感じです。 分科会は「統計っぽい班」「アルゴリズムっぽい班」「言語・認知っぽい班」という色づけで、それぞれ個性あふれていました。 私は統計っぽい班(座長は統数研の所長の北川先生です)に入れられていたので、それを中心に書きます。しばらく前のことでかなり忘れてしまっていますが、思い出せる範囲で、、、

まず、お題として与えられたのは「知識とは何か」というなにやら哲学めいた問題です。まあ統計班としては確率モデル=知識という感じなんでしょうけど、ひねりをきかせて、「知識=制約(ただし役に立つ)」という風にまとめあげました。 言語・認知班には制約充足言語とかやっている人への受けも多少意識されていたと思います。しかし受けねらいとはいえ、一部からは制約が思った以上にネガティブなイメージの単語で受け取られていたのにはちょっと驚きました。やはり言葉というのは難しい。

それから、実際の研究内容では、「パーソナライゼーション」、「データ同化」というキーワードが中心でした。 「パーソナライゼーション」はまあいまや必然ですね。 それからデータ同化というのはあまりよく知らなかったのですが、シミュレーションと観測とをすりあわせてより現実的なデータ解析をするというような意味だと思います。 実際に地球科学で研究をされている広瀬先生の話は非常に興味深いものでした。

これらの内容を表すのにひねりだした標語は「beyond MATRIX」。 MATRIX はいわゆる映画のマトリックスで、あれもまあシミュレーションだか現実だかが交錯していくのですが、それにパーソナライゼーションとかの要素を入れて、「個人対応の預言者」を作るというお話にしました。パーソナライゼーションについてはほかの分科会でも同じような提言がされていました。

個人的には、職人技的なモデル化の技術をシステマティックにする方法みたいな方向もおもしろそうだと思ったのですが、やはりモデル化はアートの部分が多くて科学にはなりにくいかもしれません。

さて、それまで CRDS という存在すら知らず、この手の会合に出るのも初めてだった私ですが、せっかく作った提言も眠らせておくのもなんなので、こういうブログで宣伝しておいた方がよいかなと思い報告させていただきました。 政治的なことはよくわからないので、これが政府の政策とかそういうトップダウンなものどう絡んでいくかはわかりませんが、とりあえず駆け出し研究者としてはボトムアップな情報伝搬しかできませんので。 なお、正確な内容については報告書を参考にしてください。 これはあくまで落書きですので。
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