朱鷺の杜(IBIS)ブログ

情報論的学習理論(IBIS)に関する管理人の独断と偏見に満ちた意見

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人工知能学会誌「国際会議に通すための英語論文執筆」特集について

神嶌さんから面白いから読んでおくようにと指示されていた表題の特集号(2008年5月号)をやっと見た。
といってもぱらぱら眺めただけではあるが、確かに非常に参考になることがいろいろ書いてあって役に立つ。

最初の横尾先生の原稿の中の「本気で通したいか」というテーマはなるほどなあと思った。
私自身あまりインセンティブがなく、アマチュアと言われても仕方がない。
ただ、横尾先生はそこから先、アマチュア日本人研究者のインセンティブを上げるというテーマについては深くは書かれていないので、私のインセンティブもあまり向上しなかった。

次の鷲尾先生のイントロは情報科学分野の国際会議のもつ特殊性やその重要性について深く書かれており、昨今のいろいろな評価と絡んでうなずかされる点が多かった。 といってもぐうたらで飽きっぽい私には鷲尾先生のように緻密な研究計画はなかなか立てられないなあという感想である。

その次の佐藤泰介先生は国際会議やテーマについていろいろな分類をしており、これは前に産総研で聞いた話とも重なるのだが、博物学的で非常におもしろい。 といってもなかなか私の場合これを自分の研究戦略に生かしたりするのは難しかったりする。 このような分析はより定量的にその後の篠田・佐藤浩両先生の原稿でも視覚化されたものがあり面白かった。

最後に松尾先生が論文の完成度を上げるためにできることをいろいろ書いておられる。
まず、「典型的な失敗例」というのがまさに私のことだなあと思った。
次に、「論文の完成度と経験則」という題で、執筆時間と稿数との関係、稿数と質との関係について興味深い定量的な経験則を書かれていた。 
だが、私の性格から行くとここまでぎっちりはなかなかできない。 稿数が上がっても結局だらだらして執筆時間は短くならず、最初に書いたものにとらわれるので質もあまり上がらないのだ。

結論としてはもっとがんばんないと、ということになるが、やはり国際会議は査読の質が気になる。
これは何人かの先生が指摘されており、問題としては残っているものの、これは前提条件としてあきらめ、研究者はそれでもがんばるしかないという結論のようだ。 私の意見は査読システムそのものを改革しないとだめだというものだが、この話をするとたいてい大きな抵抗にあうのでもう少し理論武装しないとだめだろう。 それに弱小研究者一人ではどうせ何もできないので、Google あたりにすばらしいシステムを作ってもらうぐらいの後ろ盾がないと負け犬の遠吠えにしかならないと思う。
というわけでこれについてはもう少しあたたためてから。

それはともかく、今現在、私の性格がどうだろうと完成度を上げなければならない原稿を抱えているので、上記の各先生方の方法論を参考に改善させたいと思う。

これを書いた後少し近くの人と話をしたので追記。

最近は下手をすると3分査読というように、カップラーメンのようなインスタント査読をする経験もある。
それで見られるのはアブストとイントロを斜め読みして、結果だけをざっと見るだけ。
とすると、アブストとイントロがすごくよく書けていて、中身しょぼしょぼ、でも結果はまあまあという論文が通りやすいことになる。 実際すごく厳しい会議でもそういう論文によく出くわす。

会議に通すためにイントロをすごく上手に書くというのも戦略としてあるだろうが、やはりオーガナイザー側でもちゃんとした論文を通すために工夫が必要だ。 その一つとしてテンプレートを用意してそれに埋めたフォームで査読するというのはどうだろうか。 確か昔の IJCNN でやっていた。
「問題」「得られた結果」「何が新しいか」など複数の項目に答えるというもので、あれは査読する方もされる方もよかった。 ただ、上記のような問題点がすべて解決というわけでもなく、full paper の完成度は保証されないという点は問題かもしれない。

国際会議ではないが査読について1点補足。 IEEE Trans. IT では open reviewer と称して arXiv と連動した試験的なシステムをやっている。 これは何か新しい方向のような気がするのでここにメモしておこう。
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  • 2008/06/04(水) 12:45:13 |
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