2008/12/08
産総研停電中にて,執筆活動を振り返る
タイトルにあるように,年に2回の産総研停電のためサーバーが停止中で,岩波本のサポートページもつながりません.
本を買っていただいた方で
「つながらないじゃないか」
とお怒りの方がおられるかもしれませんがご容赦ください.
(ただし読者の少ないこのブログでこれを書いても意味があるのかどうか)
通信学会の特集号の方も12/4まで締め切りを延長し(このブログで広報するのを忘れた),多数の投稿をいただきました. ありがとうございました.
それにしても本を書き終わったので暇になるかと思いきや,たまった査読の催促やら,上記特集号の雑用やらで全く息つく暇なしです.
それでも本を書いているときのプレッシャーに比べれば軽いものです.
査読は食べ物にたかるハエのように次から次へとやってきますが,
まあ多少締め切りを過ぎても(多少ではないという説もあるが^^;)そんなに困らないという話もあります.
ただ,国際会議や論文誌も特集号なんかは締め切りが厳しいので,そうなるとハエと言うよりは論文がピラニアに見えてしまいます... (骨だけにしないでくれー)
それに比べると,本を書いているときは,まさに借金取りに追われている心境で,返しても返しても元金が減らない苦しさがありました.(「今日はこれだけで許してください.明日までになんとかしますから」)
あるいは24時間テレビで100kmマラソンを走らされている芸人の心境という方が近いかもしれません.
完走すればそれはすばらしいということはわかっているのですが,
果たしてゴールできるのか全く先が見えない状態.
足はガクガク,青息吐息でもうフラフラ. それなのにリタイヤできない.
その上できれば放送時間中にゴールしたい.
そんな状態が1年以上続いていたと思えば,精神的には今はぐっと楽です.
さて,かみしまさんに岩波本の書評を書いたブログがあると教えてもらいました.
ここよりはずっと読者も多く,ずっと有名なDO++さんのブログです.
おおむね好意的な感想で少し胸をなでおろしております.
著者の意図もかなりくみ取っていただけているようでうれしいです.
「様々な解説記事で定評のある」というところは,某氏に草稿段階で,
「解説記事をたくさん書いている悪いくせが出ている」
と指摘された部分でもあります.
雑誌に数ページ解説を書くのと本を丸一冊書くのとではえらい違いということが身にしみました.
某氏の指摘のおかげで悪いくせの部分は多少直っているとは思いますが.
もともと,構想段階でどんな本にしようかと思ったときに思ったこと:
・とっても売れているらしい「サポートベクターマシン入門」なんかとは違う本にしたい.
さらにビショップ本なども出てきて,ほかの本にはない特色を入れたいと思いました.
従って「他の和書ではあまり見たことがない内容が多く」とDO++さんに書いていただいたのは
一応の目的は達したことになります.
・多少マニアックでも自分のために書こう(トールキンも自分のためにホビットの話を書いたらしいので)
ただし現実的な問題として,
・ページ数の制約などは結構きつい(それでもあれだけの分量まで増やすのはすごく大変でしたが)
・あまり独りよがりだと全く売れない(最初は現在の6章が2章でした^^;)
・一人でなんでもかんでもやるのは大変(ビショップのようにお山の大将で部下に TeX 組みや図表作成をやらせられれば楽なのでしょうが...)
という辺りが最初の頃は最も大変でした.
終盤には別の苦労があるのですがそれはまたいずれ別の機会に.
...というか本を書いている人でここまで愚痴っている人は見たことないなあ^^;;;
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